
SESに何かしらの不満を抱えて辞めたいと思っていても「本当に辞めていいのか」「動くことへの不安」だったりで悩んだままの人もいると思います。
そんな方が失敗しないために頭を整理して、冷静に行動するための方法をまとめました。
私自身はSESではなく、SIerでSEとして働いていますが、これまで常駐してくれて仲良くなったSESの友人は多いです。
SESを辞めて転職成功した友人、SESを辞めずに留まった人を何人も見てきました。
そんな方達から悩み相談を受けていたりもしました。
当記事では
- SESを辞めるたい理由の整理
- SESを辞めるべき?辞めないべき?の考え方
- SESを辞めるタイミング
- 辞める場合の転職活動について
- SESを辞めた人の口コミ
についてまとめました。
少しでも参考になれば嬉しいので是非読んでみて欲しいです。
SES会社を辞めたい理由を整理してみる
最初に「SES(客先常駐)を辞めたいのは何故なのか?」をもう一度整理します。
辞めたい理由である「不満」「愚痴」を冷静に振り返ってから、次のステップを考えます。
以下、SESを辞めたい理由で多いものをまとめました。
あなたはどれに当てはまるでしょうか。
1.上流工程の仕事ができない(キャリアアップできない)
上流工程の仕事がしたくても、下流工程のプログラミングや単体テストの作業しかさせてもらえない場合がほとんどです。
キャリアアップで「PG→SE→PL→PM」を目指していてもSESの会社に居るとほとんどチャンスが回ってこないです。
プログラマーとして経験を積み上流工程に進むなら、SESは最適な会社とは言えないです。
プログラミングスキルを身に付ける分には、SES会社で揉まれるのは悪くないのですが、その先のキャリアアップを目指すならSES会社に居続けるより転職を検討した方がベターです。
この辺りのIT業界の構造は「SIerとは?業界構造・分類(種類)・特徴をわかりやすく紹介」でも紹介しています。
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SIerの種類(分類)・特徴・業界構造をわかりやすく紹介
続きを見る
2.自分よりスキルの低い常駐先社員より悪い待遇面に嫌気

当然、SESにも優秀な人はたくさん居ますし、逆に大手SIerやメーカーにもまったく仕事ができない人は居ます。
実力と待遇の差を目の当たりにして、「嫌気がさしたり」「自分ももっと上目指せるんじゃない?」と感じでSESを辞めたくなる人もいます。


不満を抱いて当然かもしれませんね。
3.企業の業務システム開発が面白くない

SESのほとんどは、業務システムや企業の基幹システムの開発に携わります。
はじめから「業務システムが作りたい!」と思っていた人はほとんどいないんじゃないでしょうか?
いつの間にか面白さは捨て、割り切って淡々と開発をしている人も多いはず。
ITエンジニアになる前は、WebサイトやWebアプリみたいなたくさんの人に使って楽しんだり喜んでもらえたりするシステムを開発する姿をイメージしていたら・・・それとは大きくかけ離れているかもしれませんね。


特にITエンジニアになりたての場合はこういった葛藤があるかもしれません。
4.仕事の中身で評価されることが少ない
SESは、所属会社で働くわけではないので、評価されにくいです。
評価する人(上司)が同じ職場に居ないことがほとんどです。
なので、あなたの具体的な仕事内容や成果を見ることができず「評価しようにも評価のしようがない」ということが起きてしまいます。
普段の仕事内容で適正に評価されることが少ないです。

5.職場を転々として疲れる
せっかく職場や仕事のやり方に慣れても、職場が変わるとまた一から積み上げていかないといけません。
- 人間関係
- 常駐先での作法
- 通勤
- 仕事のやり方・進め方
なかでも「人間関係一から構築する作業」が一番面倒に感じるかもしれません。

6.将来の給与の伸び率が低い
若いうちはゴリゴリ働いて残業代もがっぽり稼げるかもしれませんが、年を重ねていくとそれもキツくなってきます。
40代、50代と年を重ねていくと、管理職になったりPMになったりしないと給与を伸ばしていけないことが多いです。

もちろん技術特化でいくのもアリですが、管理職やPMになるより難しいんじゃないでしょうか。
上記の「上流の仕事ができない」でも触れましたが、PMにキャリアアップすることはSES会社に居ると難しいです。
現場を変えたいのか、SES(客先常駐)自体を辞めたいのか
今居る現場に問題があるので、現場を変えて欲しいのか、SES(客先常駐)そのものを辞めたいのか整理します。
SES(客先常駐)という働き方自体を辞めたい→自社開発やSIerに転職
今の現場が合わないだけなら現場変更の要望を出す
下記のように「現場ならではの問題」であれば、会社を辞めなくても現場を変えてもらうことで事態が改善するかもしれません。
- 残業を強いてくる
- テストしかやらせてもらえない
- 無茶苦茶な開発スケジュールが引かれている
- 人間関係がうまくいっていない
今の現場が合っていないだけで、違う現場に行けば改善されることもあります。
そのためにまず、自社に「常駐先を変えて欲しい」と相談してみるのがいいです。
また、気の知れた自社の同僚が別の現場に常駐していれば、同僚に常駐先事情を聞いてみてもOKです。
SES会社を辞める前に「常駐先企業の変更」で問題が改善できないか、考えてみませんか。
SES(客先常駐)を辞めたいなら転職する
もし常駐先が変わっても問題や不満が改善されず、辞めたいという意思が固いなら、SES(客先常駐)を辞めることを検討します。
複数の現場に行っても「嫌だな」「辞めたいな」と思うなら、SESの働き方が合っていないか、SESでは難しい(Web系やSE・PLへのキャリアアップ)仕事をしたいのかもしれません。
SES(客先常駐)自体を辞めたいなら、転職を検討します。
SESからの転職で人気のおすすめ職種は以下です。
客先常駐したくない・キャリアアップ→ユーザー系SIer・社内SE
SIer業界から脱出→Web系自社開発へ
ただ、社内SEは人気が高く競争率が激しいので、まずはユーザー系SIer(メーカー系SIerでも可)などの大手・元請けのSIerを目指すのがおすすめです。
Web系企業への転職では、未経験のプログラミング言語を扱うことになるかもしれませんが、とりあえずエージェントに相談してみてください。
若ければ全然可能性はあります。
SESでプログラミングを身に付けた人であればSES以外への転職は十分可能です。(逆に何も身に付けていない人は、SESへの転職しか難しいかもしれません。
実際に、SESから社内SEや大手SIerにPLとして転身した人を見てきました。
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ブラックな客先常駐で我慢している優秀なITエンジニアがもったいない【不平不満】
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客先常駐の辞め方・退職タイミング
なるべく穏便にトラブルなく辞めれるに越したことはありません。
「辞めるタイミング」「転職活動のタイミング」について紹介します。
退職の意思を伝えるタイミングは契約更新の前に
SESの契約は3ヶ月契約が多いです。3ヶ月ごとに都度契約を更新していく契約ですね。
辞めるタイミングは、この契約が切れるタイミング(契約更新のタイミング)を狙います。
契約半ばで辞めることも法的になんら問題ないですが、なるべくトラブルを起こさず、波風立てずに辞めたいです。

そして、所属会社に退職の意思を伝えるタイミングです。
所属会社と常駐先の間の、契約を更新の交渉は、契約更新月の1ヶ月前におこなうことが多いです。
契約交渉前のタイミングで退職を申し出るのが、トラブルなくスムーズに辞めれます。
とはいえ、体力・精神が限界に近づいている状態なら、タイミングを気にせず退職を申し出ましょう。
自分の身は自分で守らないとですね。
【重要】転職活動は在職中に!
「SESを辞める!」という勢いのまま在職中に辞めてしまうのはおすすめしません。
辞めた後に転職活動すると、貯金を食いつぶしながら活動なんてことも。
結果、どんどん焦って「とりあえずどこでもいいから転職しないと」という思考になっていくかもしれません。
「やりたい仕事」「給与」などの転職ハードルを下げてしまい、「思ったような転職にならななかった」なんてことになったら本末転倒です。
転職活動は在職中に、余裕を持っておこないたいですね。
在職中の転職活動はバレる?バレたらどうなる?【気を付けたいポイント】
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退職時、プロジェクトの状況は気にしない

と気にすることはすばらしいことです。ですが、そこまで気にしなくてもいいです。
プロジェクトの規模にもよりますが、ぶっちゃけ1人抜けただけでプロジェクトが回らなくなるようなことって少ないです。
なんとかなります。会社ってそういうものです。
仮にプロジェクトに多大な影響が出てしまうようなら、「そんな体制にしてしまった会社が悪い」くらいの気持ちを持ってもいいと思います。
退職の決意をしたら、曲げないように強い意思を持ってください。
でないと、いつまで経っても会社に振り回されて、自分の思う行動ができなくなってしまうと思いませんか。
退職を止める権利は会社にはありません

万が一こんなことを会社や上司に言われても気にしなくていいです。
労働者は自由に会社を選ぶ権利があり、会社には社員の退職を止める権利はありません。
社員のことを想ってでなく、部下が辞めることで自分の評価が下がる事を気にしているだけの上司もいるので、惑わされず強い意思を持って退職の意思を伝えてください。
次の転職先が決まっていれば、強い気持ちで伝えれると思いますし、そういう意味でも在職中に転職活動を進めておきたいです。
SESを辞めた・SESから転職した人の口コミ
ここ半年のわたし
銀行案件が嫌になったので、営業にWeb案件へ変更希望出す
↓
スクールでRails勉強する
↓
次の案件がWebじゃないことが発覚
↓
その現場行きたくないし、じゃあ退職するわと会社に言う
↓
その2週間後に退職
↓
その2ヶ月後、Web系の会社に内定(いまここ)行動したもん勝ち✌️
— アヤカ@webサイト制作 (@Eeedotweb) 2018年5月31日
今の私の意見ですが、SESから自社開発に転職しましたが、SESより自社開発はどのケースにおいても良いとは言い辛いです。
私の場合は低位SESから特定の分野では国内シェアがトップなとこへの転職なので、良い転職でしたが...— てろ (@tero1216) March 31, 2019
SESに4ヶ月勤めて自社開発に転職したけど、これでも回り道したと思っとる✋️😅
2年もSESに勤めて歳だけ食ってどうすんだっていう✋️😅
— 硬派なストーカー@駆け出しエンジニア (@mgmgmpmgd) January 6, 2019
私も以前は技術者派遣がメインの、下請け孫請けの会社で働いていましたが、今は自社で作業をしており気兼ねなく仕事ができています。
とはいえ、日々勉強で効率も求められますが、以前のように言いたいことも言えず、安くて便利な駒として使われてたことを考えると良かったです。
給料は安いですが。
引用:Yahoo知恵袋
- 末端(下請けの下請けの...)になるほど分配金が少なくなるのに契約がきられやすい
- 一案件に初期段階から関われない
ということで、自社で作業できる会社に転職しました。
システム子会社なので客先SEもありえますが過半数は自社にいますし、休みはとりやすく、残業も少な目なので収入的には以前よりはやや少な目にはなりましたがまあまあです。
引用:Yahoo知恵袋
SESからの転職は転職エージェントを使う
転職サイトには大量に求人がありますが、IT系の求人のほとんどがSES(客先常駐)です。
転職サイト内の求人で、SESと非SESを選別するだけでも一苦労です。
比べて転職エージェントでは「SES(客先常駐)を辞めたい」と面談でハッキリ意思を伝えると、それなりの求人を紹介してくれます。
もちろん、エージェントから送られてくる求人の中にもSES求人が混じっていることもありますが、キャリアアドバイザーに聞けばSESかそうでないかちゃんと教えてくれます。
求人の質は確実に転職サイトよりは上ですし、キャリアアドバイザーに聞くと嘘をつかずに教えてくれます。

詳しくは「【SE転職】転職サイトではなく転職エージェントを使うべき理由」の記事で解説しています。
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【SE転職】転職サイトではなく転職エージェントを使うべき理由【違いやメリットを紹介】
続きを見る
また「SE・IT転職に強いおすすめ転職エージェントを厳選」の記事では、僕も実際に使ったIT転職では鉄板の転職エージェントを厳選しています。
よければ参考にしてみてください。
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SE・IT転職に強いおすすめ転職エージェントを厳選
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【事実】失うものは何もないので気軽に行動してみてください
転職活動には失うものが何もありません。
受かってから今の会社を辞めればいいだけですし、良い会社が見つからなければ今の会社に居ながら活動を続ければ生活に困ることもありません。
また、意外と自分に需要があることに気付けるかもしれませんし、市場価値も知れます。
もし、市場価値が低いのであれば「なぜ低いのか」「市場価値を上げるためにどうすればよいか」の相談にもキャリアアドバイザーが乗ってくれます。
ですので、気軽な気持ちで行動してみてください。
転職活動は慣れもありますし、少しでも早くから行動した人達が有利になってきます。
動ける人はすぐに動くので、そういった人がチャンスを掴んでいきます。
あなたも出遅れないように行動してみてください。