SEは技術力よりもコミュニケーション力の方が大事だなんて言われます。
一概に「技術力<コミュニケーション力」とは言い切れないですが、SEにコミュニケーション力が大事なことは間違いありません。
そもそもコミュニケーション力とは・・・
コミュニケーション能力(コミュニケーションのうりょく、communication ability)は、「他者と意思疎通を上手に図る能力」を意味する。
出典「weblio辞書」

当記事では、以下のポイントについてご紹介します。参考にしていただければ幸いです。
特に、コミュニケーション力に苦手意識のある方の参考になれば幸いです。
SEに必要なコミュニケーション力とは?

ここでは、SEに必要なコミュニケーション力の5大要素をご紹介します。
1.ヒアリング力
SEはクライアントにヒアリングして、課題や問題点を引き出したり、プロジェクトメンバーが困っていることを吸い上げる「ヒアリング力」が求められます。
- 課題・問題点を引き出す
- 引き出した情報を整理し要約して聞き返す
「なぜ?具体的には?全体像は?」いろいろな角度から情報を引き出します。
引き出した情報をまとめて要約して相手に確認することを忘れずにセットでおこなうと、ヒアリングミスを少なくなります。
2.説明力
SEは相手に正確で分かりやすく情報を伝える「説明力」が求められます。
- 誰にでも分かるように極力シンプルに
- 結論を先に伝える
- 説明の最中に理解度を確認しながら進める
IT知識の少ないクライアントや経営層など、誰にでも分かるように論理的にシンプルに情報を伝えなければなりません。
これがなかなか難しいのですが。
もし今まで説明が下手と言われたことがある人がいれば、まずは「結論を先に伝える」ことだけを意識してみると伝わりやすさが向上するはずです。
結論や要点を先に伝えてから理由や経緯を説明すると、相手が話を理解しやすくなります。
3.プレゼンテーション力
SEはクライアントへの提案、社内の他部署や上層部へシステムのプレゼンをすることがあります。
日本人は、プレゼンが苦手な人は多いですよね。人前で話すのは緊張します・・・
でも、話すのが苦手な人でも事前準備に力を注げば、プレゼンテーションをそつなくこなせるようになります。
「プレゼンは準備が9割」です。事前準備でほとんどが決まります。
4.交渉力
クライアントと要件定義を進めていく中で「納期」「予算」などでお互いに譲れない部分が出てきます。
お互いが100%納得できる案件の受注ができればよいのですが、全てがそううまくはいきません。
「落としどころ」を見つけていかなくてはならない場面がでてきます。
- クライアントが絶対に譲れないポイント
- クライアントの融通が利くポイント
- 自社が引き下がれないポイント
- 自社が妥協できるポイント
クライアントや自社の状況を把握して、クライアントと自社が納得できる折衷案を見つけなければなりません。
5.調整力
ほとんどの仕事もそうですが、SEの仕事もひとりでできる仕事は少ないですよね。
多くの関係者と仕事を進めていきます。
そうなると当然、意見・思考が対立することもあります。
そんな中でもうまく周りと調整しながら協力して目的を達成しなければなりません。
- クライアント
- 社内の各部門
- プロジェクトチーム内
- サブチーム間
周囲の人を巻き込みながら協力して仕事を進めていく「調整力」もSEに必要なコミュニケーション力のひとつです。
周囲との関係を悪化させなように「気配り」「譲歩」「バランス」等に注意を払って、滞りなく仕事を進められるよう調整しなければなりません。
人見知りや話下手な「陰キャ」でもSEコミュニケーションは可能
コミュニケーション能力が高いと聞くと「ウェーイ!」知らない人にも積極的に話しかけられる。
いわゆる「陽キャ」をイメージしませんか?
しかし、SEには「陽キャ」なコミュニケーションは必要ありません。

なんて悲観する必要はありません。
SEの仕事に必要なコミュニケーションは技術
SEが仕事で使うコミュニケーション力は、「場を盛り上げる会話」でもなく「笑いをとるトーク力」でもありません。
こういったコミュニケーションは、もちろんあるに越したことはないですが、天性的な素質が大きいです。
それよりもコミュニケーション力は「技術」と捉えることが大事です。
SEの仕事で使うコミュニケーション力は向上させられる
コミュニケーション力は「技術」と考えれば、練習すれば向上されられるはずです。
話下手でも「陰キャ」でもテクニックを身に付ければ、仕事をする上では支障のないレベルまでは向上させられます。
明日からすぐ実践できるコミュニケーション力の向上方法

ここでは、明日からできる比較的簡単なコミュニケーション力高めるテクニックをご紹介します。
もちろん始めからうまくいくとは限りませんが、とにかくチャレンジしてみるところから始めたいですね。
1.言い方を少しだけ工夫してみる
言い方の表現が少し変わるだけで、相手の受け取り方が大きく変わります。
伝える内容が同じでも、言い方ひとつで「良い印象」にも「悪い印象」にもなります。
NG例 良い例 だめだよね。 できたね。ここをこうするともっとよくなるね。 いつまでかかってるの? あとどれくらいかかるか、予想つけられそう? 遅くない? 予定より一日遅れだけれど、何か問題があった? テストしてないの? 観点網羅表と試験の証跡に当たるものを見せて下さい。 仕様です。 前はそれで行こうとなってましたが、状況が変わりましたか? 引用「SE声掛け変換表」
うまくコミュニケーションが取れているときは、表の右の「良い例」のように伝えることができている時ですね。
「プロジェクトがうまく進んでいない時」「イライラしている時」はついつい「NG例」の伝え方になってしまうときもあると思います。
なかなか難しいですが、どんな時でも「良い例」のようなコミュニケーションを取れるように心がけたいですね。
「SE声掛け変換表」には上の表でご紹介した以外の例も載っていて、とても参考になります。
2.ヒアリング結果を要約して聞き返す
話を聞いて、自分の中で納得・理解してそこで終わりにしてしまいがちです。
ですが、自分の頭の中にある内容と、話し相手の伝えたかった内容が実はズレていたら。
細かな表現ひとつで、お互いの認識に相違が出てしまった・・・という経験がありませんか?
話を聞いた後、自分の頭で「要約・整理」した内容を、「つまりこういうことですよね?」と相手に聞き返してみてください。
簡単ですが、意外とコレを忘れてズレが生じてしまうことがあるので、なるべく「要約して聞き返す」ようにしたいです。
簡単な連絡事項であれば相手の言ったことを復唱するだけでも効果があります。
3.結論を先に伝える
相手に伝えるときは、真っ先に結論を伝えるようにします。
特に失敗・うまくいかなかったことなどは、ついつい言い訳から入ったり経緯を長々と伝えてしまいがちです。
結果、話が長くなってしまい話のポイントがブレてしまいます。
「一番伝えなければならない結論」が相手に明確に伝わらず、「結局、何が言いたいのか分からない」といった事態に陥ってしまうこともあります。
そうならないためにも「結論→理由」の順番で伝えることを徹底します。
結論を先に伝えることで相手は、すぐに状況を把握してくれます。
状況を把握した相手は、聴く体制に入ってくれ、伝え手の話の内容を判断できるというメリットも生まれます。
4.話を深掘りできる質問をする
話を深掘りできるような質問をして、深いコミュニケーション(会話)をします。
- 具体的にはどういうことですか?
- なぜそうなったのですか?
- それで全部ですか?他に言い残したことはないですか?
話を聞く際に、上記のようなポイントを意識して、「聞き返して深掘りしていく」ようにします。
こうすることで、クライアントやプロジェクトメンバーの「言い残し・言い忘れ」を防止することもできます。
5.プレゼンは準備が9割
プレゼンテーションと聞くと「身振り手振りを交えながら感情的に、役者のようにスラスラと流れるように話す」とイメージする人も多いと思います。

ですよね。人前で流れるように感情に訴えかけながら話せる人はホント羨ましいです。
でも、プレゼンテーションは流暢に話す必要もなければ、身振り手振りを交えてスラスラ話せなくても大丈夫です。(もちろんできるに越したことはないのですが)
プレゼンは、準備を徹底的に行っておけば、大抵は無難にこなせます。
- 結論→理由(順序立てて論理的に)
- 資料を図解や画像でわかりやすく作る
- プレゼン内容を暗記するくらい繰り返しイメトレ
話下手でプレゼンが苦手の人でも、上記を意識して臨むだけで普通レベルのプレゼンは可能になります。
プレゼンは、天性的なスキルがなくでもできるようになります。
コミュニケーション力の向上に役立つ書籍
仕事で使うコミュニケーション力は知識と訓練で向上できます。
とはいえ、正しい知識がないといくら訓練しても意味のないものになってしまうかもしれません。
そこで、コミュニケーション力と真剣に向き合ってみたい人におすすめの書籍をご紹介します。
コミュニケーション力は、どんな役職・立場になっても必ず必要な力です。一回読んで終わりでなく、ポイントポイントで何度も読み返していくのがよいでしょう。
『1分で話せ』何が言いたいのか分からないと言われる人におすすめ
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いい質問は相手の心を動かす
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まとめ:コミュニケーションが苦手なSEはコツだけでも押さえておこう
SEのコミュニケーション力についてご紹介しました。
まとめ
将来、PLやPMへキャリアアップしていくには技術力だけでなく、「コミュニケーション力」も必要です。
苦手意識を持たず、普段から少しずつ訓練していきたいですね。
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