簿記2級では3級になかった工業簿記が出題されます。
簿記3級簡単!簿記2級もこの調子でいけるだろうと思っていたところに、工業簿記が出てきます。
3級で習得した商業簿記の知識が生かせず、この工業簿記で挫折してしまう人も多いようです。
でも安心してください。むしろ工業簿記は簿記2級の合格を簡単にするために助けてくれる存在です。
この記事では簿記2級の合格を目指す人のための工業簿記対策を紹介します。
- 工業簿記は理解しなくても満点とれる
- 工業簿記はほぼ過去問通りの出題
- 工業簿記おすすめの勉強法
- 工業簿記で満点取れば商業簿記は半分間違えれる(モチベアップ)
工業簿記で満点40点取れば商業簿記は半分間違えれる
簿記2級の点数配分は、商業簿記60点・工業簿記40点です。
- 商業簿記60点満点・・・過去問にないひねった問題も出てくる。予想も難しい。
- 工業簿記40点満点・・・過去問通りの問題しか出ない。問題にひねりがない。
工業簿記は昔から難易度も変わらずほぼ過去問通りの問題が出題されます。
試験範囲も狭く、問題の出題方法も変わらずひねった問題も出ず安定しています。
一方で商業簿記は、深く理解しているか試される試験に変わりつつあります。問題予想も難しいです。
商業簿記は過去問を習得していても本番で急に見たこともない問題が出ることもあるので安心できませんが、工業簿記は過去問を習得しておけば本番試験に安心して臨めます。
そして、工業簿記で確実に満点40点を取れるようになれば、商業簿記は半分間違えても合格になります。
商業簿記・・・30/60(正解率50%)
工業簿記・・・40/40(正解率100%)
⇒7割 合格!
商業簿記・・・34/60(正解率57%)
工業簿記・・・36/40(正解率90%)
⇒7割 合格!
工業簿記のコツをつかんでサクっと満点取れるようにしておけば、簿記2級の合格がグっと近づきます。
試験範囲が広い商業簿記は60点満点・試験範囲が狭い工業簿記は40点満点
- 商業簿記60点満点・・・試験範囲が広い
- 工業簿記40点満点・・・試験範囲が狭い
商業簿記は、平成28・29年度の試験範囲改訂で連結会計やリース取引などが追加されました。
元々、工業簿記より試験範囲が広いのに、ますます広範囲になりました。
商業簿記は試験範囲が広くて60点満点、工業簿記は試験範囲が狭くて40点満点。
どちらが効率的に点数を稼げるか分かると思います。
試験範囲が狭い工業簿記で確実に点数を稼ぐようにしましょう。
ここまで読んで、工業簿記がおいしい問題であることを感じたと思います。
”おいしい”工業簿記を取りこぼすのはもったいないです。苦手意識がある人も諦めずにトレーニングしてください。
それでは工業簿記のコツや勉強法を紹介していきます。
工業簿記のコツは公式暗記 反射的に問題が解けることを目指す
工業簿記は算数です。数学ではなく算数です。難しくありません。
図・公式を覚えて問題を解くトレーニングを繰り返せば誰でも解けるようになります。
過去問を解いていると分かりますが、問題の中の数字が変わっただけの似たような問題がよく出題されます。
問題を見た瞬間に解くための図・公式を反射的に思い浮かべ、あとは問題の数字を図・公式に当てはめていくだけです。
公式と図を暗記して「この問題がきたらこの公式」と反射的に思い浮かぶまで問題を繰り返し解いてください。
過去問10回分くらいを2回解いておけば本番試験で9割は取れるようになります。
工業簿記の意味不明な図・公式の仕組みは理解しなくていい
シュラッター図や差異分析の図・公式を使って問題を解きますが、その仕組みは理解しなくてもいいです。
今までに見たこともない図で解説され、その通りにやると解けた!でも正解は出せたけど図に当てはめただけ・・・仕組み・意味は?
⇒理解しなくていいです
図・公式を覚えて使って解くだけです。何故この図で解けんだ・・・とか考えなくていいです。
一から意味を理解しようとすると時間がかかりますし挫折するかもしれません。
キチンと理解したい人には気持ち悪いかもしれません。
ですが合格するためのテクニックを習得すると割り切って、理解することより繰り返し問題を解くことに時間を使った方がいいです。
合格後に工業簿記を使う機会がある人は別ですが、合格だけが目的であったり、工業簿記を使うことがない人は仕組みや意味を理解しても意味がないです。
工業簿記のおすすめ参考書・過去問題集と勉強法
工業簿記おすすめの参考書を紹介します。
勉強方法は
- テキスト読みながら付録の問題を解く
- テキストの総仕上げ問題集
- やさしい問題集を解く(過去問解いて分からない人は⇩で紹介する問題集をおすすめします)
- 過去問題集を解く
工業簿記については予想問題集や網羅型の問題集をする必要はありません。過去問を確実に解けるようになれば本番でも9割確実に取れます。
それでは本当に使える参考書と問題集を紹介します。
辞書代わりとしても使える一番人気の参考書:『スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記』
簿記を独学するならとりあえず買っておけ的なみんな買ってる一冊です。簿記の参考書でずっと一番人気です。
全部読まなくても辞書的な使い方も出来るので持っておいて損はないです。
理解できないところがあってもセットで付いてる問題集を解きながら読み進めてください。理解できなかったところは解答テクニックだけ覚えて次に進みましょう。
スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第7版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)
- 鉄板の一冊で一番人気
- 理解できなくても付録の問題集とセットで一通り読んでおきたい
- 後から辞書代わりとしても使えるので独学が不安な人は持っておきたい
サイトとセットで勉強できる:『パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記テキスト&問題集』
同じ著者のサイト(パブロフくんのサイト)があるので、本で勉強しながら移動中などの隙間時間にスマホで復習も出来ます。
同じ著者の本とサイトがあるのはパブロフくんだけではないでしょうか。
工業簿記のテキストは⇧で紹介したスッキリのどちらかを好みで買っておけば他は要りません。
簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集 第2版
- 個人的に工業簿記はパブロフが一番分かりやすい
- 著者の解き方動画と予想問題6回分がセットでついてくる
- 解き方テクニックが効率的に学べる
やさしい問題で解き方に慣れる:『日商簿記2級 みんなが欲しかった やさしすぎる解き方の本』
いきなり過去問題集に取り掛かって分からずに絶望してしまった人におすすめです。
難易度がやさしい問題が多く解き方に慣れるのに最適です。この問題集で解き方を訓練してから過去問題集に取り掛かるのがいいでしょう。
日商簿記2級 みんなが欲しかった やさしすぎる解き方の本 第2版
- まだ過去問題集に取り掛かる自信がない人
- 簡単な例題で解き方を1ステップづつ練習できる構成になっている
- 例題のあと実践問題で力試しできる
パブロフ流でみんな合格『日商簿記2級 工業簿記 総仕上げ問題集』
これも過去問題集を解いて挫折した人や過去問題集をテキストを見ずに解ける自信のない人が取り掛かるには最適な一冊です。
テキストでパブロフを選んだ場合は、やさしすぎる解き方の本ではなくパブロフの総仕上げ問題集を選ぶといいでしょう。
- 基礎から丁寧に解説している
- 解く手順(下書き)があり解く手助けをしてくれる
- 苦手な分野を集中的に勉強できる
過去問題集の決定版:『合格するための過去問題集 日商簿記2級』
テキストの例題・やさしい問題集が解けるようになったら、過去問に取り掛かります。
過去問は必ず解いておきましょう。
過去問は10回分を最低2周解いておけば安心です。1回目で本番でも解けると確信した問題は2回目はしなくてもいいです。
合格するための過去問題集 日商簿記2級 '19年2月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)
- 一番売れてる過去問題集
- 過去問題が12回分(工業簿記24問)解ける
- 答案用紙は切り取れるし、HPから無料で何回でもダウンロードもできる
一番分かりやすい工業簿記のおすすめサイト
工業簿記で一番分かりやすいサイトは間違いなくパブロフくんのサイトです。
シュラッター図や差異分析などが手書きで丁寧に分かりやすく解説されています。
サイト内では、「仕組みは理解できなくても公式だけ覚えておけば解ける」ともあり、テクニックを学ぶのに最適です。
図・公式を忘れた時にスマホで手軽に見返せるのもよいです。
さらに、「差異分析」「仕損・減損」の無料講義動画も見れます。解く手順を動画で見れるので本で理解できなかった人でも理解できると思います。
本ブログでは、受験生が学習する中でつまずきやすい論点や、解き方に工夫がいる論点に焦点を当てて解説しています。「わからないことがある」「もっと早く正確に解ける方法が知りたい」場合に活用していただけますと幸いです。
工業簿記のテキストと問題集のまとめ
いろいろ紹介しましたので最後にまとめておきます。スッキリシリーズかパブロフシリーズの2択で問題ないです。
簿記3級から勉強をはじめていて、3級で使っていたシリーズがあればそのままそのシリーズを使ってよいです。
- パターン①:スッキリのテキスト→やさしすぎる解き方の本
- パターン②:パブロフのテキスト→パブロフの工業簿記総仕上げ問題集
- 補助:サイトとyoutubeにある解き方動画
- 必須:合格するための過去問題集
パターン①かパターン②で進め、補助的にサイトやyoutubeの動画を使います。
最後の過去問題集は必須でやっておきたいです。できれば時間を計りながら。
まとめ:簿記2級の合格のカギは工業簿記
簿記2級合格のカギは工業簿記です。
以下、おさらいしておきます。
簿記2級工業簿記のまとめ
- 工業簿記満点で商業簿記50%でも合格は合格
- 配点が40点もあるのに試験範囲はせまい
- 工業簿記は図・公式暗記のトレーニング
- 仕組みや意味は深く理解しなくてもOK(それでも点数取れます)
- テキストは『パブロフ』がおすすめ
- 問題が解けない人は『やさしすぎる解き方の本』でトレーニング
- 過去問は10回分くらいを2回解いておけばカンペキ
参考書を読んでも最初はとっつきにくいかもしれませんが、解説見ながらでもテキストの例題を解いていってください。
初めは意味不明でも繰り返し図・公式を使って解いていけば、そのうち問題を見たら反射的に解けるようになってきます。
工業簿記で点数を稼いで簿記2級を簡単に合格しましょう!