当記事では、簿記3級を独学で合格しようという人のために
- 簿記3級試験の概要
- 独学のやり方・進め方
- 勉強時間の目安
- 試験当日の過ごし方
- 本番試験でやってはいけないこと
といった簿記3級の合格に役に立つ情報をまとめて紹介します。
試験日程と申し込み・受験料・合格発表について
まずは試験日と試験の申し込みについておさえておきましょう。
簿記3級の試験は年に3回実施されます。
- 2月
- 6月
- 11月
1年に3回チャンスがあるのは嬉しいですね。
試験の申込みは、住んでいる都府県の各商工会議所へおこないます。
だいたい試験の2カ月前くらいから申込み可能です。申込みには受験料2,800円(税込)が必要です。
そして、合格発表は試験の1カ月後におこなわれます。ホームページやメールで合否のお知らせがあります。
ただし、申込み受付日時・申込み受付方法・合否の発表方法は各商工会議所によって若干異なるので注意が必要です。
自分が住んでいる地域の各商工会議所のホームページを確認し受験申込みをしましょう。
日本商工会議所の公式サイトから確認することができます。
簿記3級の難易度と合格率
簿記3級の難易度は高くはありません。きっちり勉強すれば誰でも合格することができます。
複雑な計算も必要ないですし、大量の暗記に頭を悩まされることもありません。
近年の合格率は以下のとおりです。
試験回 | 合格率 |
---|---|
151回(2019/2) | 55.1% |
150回(2018/11) | 43.8% |
149回(2018/6) | 44.3% |
148回(2018/2) | 48.9% |
147回(2017/11) | 40.3% |
146回(2017/6) | 50.9% |
145回(2017/2) | 47.4% |
144回(2016/11) | 45.1% |
143回(2016/6) | 34.2% |
142回(2016/2) | 26.6% |
141回(2015/11) | 26.1% |
140回(2015/6) | 52.7% |
合格率の推移で目が行くのは合格率20%代の回もあれば50%を超える回もあるところです。
簿記3級の試験は、いわゆる「アタリ回」「ハズレ回」があります。
「ハズレ回」に当たってしまうとショックですが、年に3回受験のチャンスがあるので、きちんと勉強していればそのうち合格できます。
とはいえ最近は「ハズレ回」と呼ばれる回はなく、普通に勉強していれば合格できるようになっています。
簿記3級の勉強時間の目安(独学)
簿記3級を独学で合格するための勉強時間は60時間~100時間が一般的です。
よく「1週間で合格する方法」などが紹介されています。
たしかに一日10時間勉強すれば一週間で合格できるかもしれませんが、オススメしません。
学生や社会人の人は、普段の勉強や仕事があるので、毎日勉強する時間も気力もないと思います(僕もそうです)
さらに短期間では知識も定着しずらいので、簿記2級も目指す場合は期間をかけてじっくり勉強したいです。
確実に安心して合格を目指す場合は
1カ月(1日2時間)
2カ月(1日1時間)
を目安として勉強を開始しましょう。
毎日勉強しないことを前提として、余裕をもって試験日の1カ月半~2カ月前に開始するのがよいです。
簿記3級独学の勉強法
簿記の独学の勉強方法はシンプルです。
- テキストを読む
- 過去問題集を解く
- 過去問題を繰り返し解く
これだけやっておけば問題ありませんが、もう少し深掘りして、スケジュールやテキストを読むポイントを紹介していきます。
独学の勉強スケジュール
簿記3級の勉強時間は60時間~100時間が一般的です。会社や学校がある人でも1カ月半あればこれくらいの勉強時間の確保は可能だと思います。
試験の1カ月半前(6週間前)に余裕をもって勉強を開始するとして、理想的な勉強スケジュールをみてみます。
1週目~2週目:テキスト学習1周目
3週目:テキスト学習2周目
4週目~5週目:過去問題1周目
6週目:過去問題2周目
全期間:スキマ時間にスマホ学習
テキストは理想は2周読み込むことです。1回読んで理解しても2回目読んだときに忘れているところもあると思います。
テキストを2回読むことで知識を定着させることができます。
ただし、簿記で一番大事なのは問題を解く練習をすることです。あまりテキスト学習に時間をかけすぎないように注意が必要です。
試験日から逆算して3週間前に過去問題集に取り掛かれるようなスケジュールで勉強を開始できれば安心です。
早めに始めれる人は2カ月前から勉強を開始しても大丈夫です。
そして過去問題も過去10回分くらいを2回解いておきたいです。3週間もあれば余裕はあるかと思います。
あとは、スキマ時間にスマホアプリやWebサイトで簿記の仕訳問題の練習をしておくのもよいです。
無料で仕訳問題の練習ができるところはたくさんあります。
あまり早く開始過ぎるとダレてしまうかもしれませんので、60時間~100時間の勉強時間を確保できる日を試験日から逆算して勉強を開始しましょう。
テキストの読み方
テキストは2周読むのが理想です。まずは、1周目のテキストの読み方を紹介します。
テキストを読み進める時のポイントは、すべてを理解する必要はないということです。
理解できないところは後から分かるように印を付けて、いったんは読み飛ばしても大丈夫です。
まずは一通り読み通して簿記の基本を理解することが大切です。
また、テキストは問題とセットになっているものがほとんどです。「テキストを読み問題を解く」を繰り返しながら読み進めてください。
問題が分からなければテキストを見ながら、それでも分からなければ解答を見ながらでも紙に書いて解いてください。
- 分からなかったところには印をつけておく
- 分からなければ、いったんは読み飛ばしてもOK。とりあえずは全部読み通そう
- テキスト付録の問題は必ず解いておく
- 問題はテキスト・解答を見ながら解いてもOK
これがテキスト1周目の読み方です。
2周目は印を付けておいた間違えたところを中心に読みます。理解しているところは流し読みで大丈夫です。
2周読む時間がなければ、間違い印のところだけでも読み返すようにしたいです。
過去問題集を解くポイント
テキストを読み終えたら過去問題を解きます。
テキスト付録の問題のように丁寧で分かりやすい説明のない問題もあります。全員を合格させる試験ではないのでひねった問題も出題されます。
ですので最初は解けない問題もあるかもしれません。
解けない問題は答えを見る前にテキストを読み返して答えを求めましょう。いきなり答えを見るより自分で調べて答えを出した方が記憶に定着します。
また、テキストを見ても分からなかった問題は答えを見るだけでなく、理解するまで解説を読みましょう。
解説を読んだあとには紙に書いて問題を解いておきたいです。
過去問題は過去10回分くらいを複数回(最低2回・推奨3回)解いておきましょう。
過去問題1回目
- テキストを見ながら解いてもいい
- 正解した問題も解説に目を通す
- 正解不正解が後から分かるような印をつけておく
- 問題を解く時間も気にしなくていい
過去問題2回目
- 1回目正解の問題は素早く解くことを目標に
- 1回目不正解の問題はテキストを見ずに解けるように
- 本番と同じ時間で解く
過去問題3回目
- 2回目も不正解だった問題は解けるまでおこなう
- 余裕があれば予想問題集に取り掛かってもOK
過去問題を解いていれば苦手な問題が分かってきます。その苦手な問題を繰り返し解いて本番では正解できるようにしていく作業をおこないます。
この作業をおこなって過去10回分の過去問題で8割取れるようになれば本試験も普通に合格します。
余裕がある人・より完璧にしたい人は過去問題の後に予想問題集をおこなってもよいですね。
簿記3級の独学におすすめのテキストと問題集
テキストは自分にあったものを選ぶと良いとよく言いますが、いろんなテキストを「見て・比較して」合ったものを探すのは大変ですよね。
まして、「自分に合いそう合わなそう」も感覚でしかないですからね。
正直、簿記3級のテキストと問題集はどれを買ってもそんな大差はないです。
これだけやっておけば間違いないというおすすめを☟以下の記事で紹介していますのでよければ参考にしてください。
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簿記3級の独学に人気のおすすめテキストと過去問題集!【2020年度】
続きを見る
独学できない人は通信講座を使おう
簿記3級は独学で十分合格できます。
ですが以下のような人は通信講座を利用してもいいでしょう。
- 独学が苦手な人
- 簿記2級も合わせて取る
- 簿記を実務で使う予定がある
- 確実に一回で合格したい人
以下の記事では安心して受講できる簿記の通信講座を厳選して紹介しています。
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おすすめ簿記通信講座!講座選びのポイントと合わせて紹介
続きを見る
簿記3級の公開模試を有効活用する
簿記試験の本番前には可能なら公開模試も受験しておきましょう。
公開模試を受けるメリットは下のとおりです。
- 時間配分・問題を解く順番等の本番の予行演習ができる
- 試験の雰囲気に慣れる
- 弱点がわかる
- 講師の解説が聞ける
☟の記事でおすすめの有料/無料模試を紹介していますので参考にしてもらえると嬉しいです。
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【簿記】おすすめの無料・有料模試と模擬試験を受けるメリットデメリット
続きを見る
試験前日と当日の過ごし方
試験の前日と当日は、今までせっかく勉強してきたことが無駄にならないように過ごしたいですね。
☟の記事に過ごし方をまとめたので参考にどうぞ。
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試験当日・前日の過ごし方とやってはいけないこと
続きを見る
試験問題を解く順番に注意
本番では問題を解く順番に注意しましょう。前の問題から順番に解いていくのはやめましょう。
簿記3級の試験は各問によって配点が大きく違います。合格するために必ず解かなければならない問題(重要な問題)から先に解くことをおすすめします。
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試験当日・前日の過ごし方とやってはいけないこと
続きを見る
おしゃれな電卓でモチベーションアップ
簿記検定に使える電卓をおさらいしておきましょう。
試験で禁止されている電卓機能
- 印刷(出力)機能
- メロディー(音の出る)機能
- プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)
- 辞書機能(文字入力を含む)
簿記の試験で使える電卓の制限事項についてはこちら☟
あると便利な電卓機能
- 表示桁数12桁(最低10桁)
- 早打ち機能(先に押したキーから指が離れる前に次のキーを押しても入力できる)
- すべり止め搭載
- GT(グランドトータル)機能 ☞GT機能の使い方動画
☟の記事では、検定試験に使える電卓機能の条件をクリアし、さらによくある「ザ・事務用品」に見えないおしゃれな電卓を紹介しています。
お気に入りの電卓で勉強のモチベーションをアップさせましょう!
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おしゃれなのに簿記検定・事務仕事にも使える機能的な電卓ランキング【おすすめ】
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まとめ:簿記3級について
以上、簿記3級に関する役に立つ情報を紹介しました。
今後も役に立ちそうな情報があれば随時追加していきます。
当記事を少しでも役に立てていただければ幸いです。